-
■宮脇修館長よりご挨拶
50年ほどまえ、私はちっちゃなプラモ屋で小商いをしていました。
「今でこそ、ちっぽけなプラモ屋だけど、いつかでっかいホビーランドをつくったるからなぁ、覚えといてや?」と大ボラ吹いて煙に巻いていました。
それは大ボラであるのか?夢であるのか?私にも分からないまま50年余りが経っていました。それでも長い間脳細胞の中にしまい込んでいたままのホビーランドが、突如として、姿を現してきたのです。
それは四万十のホビー館や、かっぱ館、そして滋賀の長浜の龍遊館をつくった後にはっきりとその全貌を見せてきました。「そうや50年前、子供たちに大ボラを吹いていた私は、今こそホビーランドをつくるチャンス到来だ!」と感じました。
50年余り、プラモケイの他にホビーに関係するモノを蒐めてきた私たち親子は、今こそ子供たちを驚かせ、驚きによって好奇心、創造力に奉仕できる時だと思いました。しかし、いつの間にか私も93歳になっていました。
むかし子供相手に大ボラを吹いていた私が、夢の実現であるのか?定かではありませんが、多くの皆さんのご協力を頂いて、この度ホビーランドを創りました。
大きなホラを一生賭けて実現した93歳を、どうぞ笑ってやって下さい。- 海洋堂館長
-
-
館長プロフィール -
宮脇 修(みやわき・おさむ)
1928年、高知県大方町(現黒潮町)に生まれる。
15歳で南満州鉄道に入社し、中国で敗戦を迎える。
18歳で日本へ引き揚げてきてからは、マグロ漁船の乗組員、土佐の一本釣り漁師、広告会社勤務など、三十数種の職を転々とする。
1964年、長男(現・宮脇修一取締役専務)の小学校入学を機に、大阪府守口市に一坪半の模型店「海洋堂」を開業する。斬新なアイデアと行動力を武器に、帆船ブームやガレージキットブームを日本に引き起こし、模型メーカーとなる。
1999年、海洋堂の企画・製作による「日本の動物コレクション」をおまけとして入れたフルタ製菓の「チョコエッグ」が爆発的にヒット。海洋堂ならびにフィギュアを作る「原型師」の存在が、広く知れ渡ることになった。
2005年、初のフィギュアミュージアム、「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁龍遊館」を滋賀県長浜市にオープン。
2011年、「海洋堂ホビー館四万十」を高知県四万十町にオープン。
2012年、「海洋堂かっぱ館」を高知県四万十町にオープン。
2021年、「海洋堂ホビーランド」を大阪府門真市にオープン。
-
-
- 運命の木刀
-
1964年、36歳だった宮脇修(現・海洋堂館長)は、一人息子の修一(現・海洋堂センム)が小学校に入学するというのに、定職にもつかず焦っていました。
これまでに変えた職業は、満鉄職員、カツオの一本釣り漁師、マグロの漁船乗組員、バーテンダー、広告代理店、ゴミの回収作業員、等々数知れず。
父親が定職もなくフラフラしていては、息子が肩身の狭い思いをするのではないか・・・。
そこで、以前習い覚えていた手打ちうどん屋か、息子が大好きなプラモデルで小商いをするかに決めることにします。
“うどん屋”か“プラモケイ店”か・・・。
「毎日使っている素振り用の木刀を天井から吊るし、紐を切って、東西に倒れればうどん屋、南北ならプラモ屋に決めよう・・・」
約60年前に、海洋堂が模型店となる運命を決めた、その一振りの木刀を公開いたします。
-
- 創るたのしみをすべての人に
-
海洋堂は間口およそ3m、奥行き1.5mという小さな一坪半のお店と、7万円の資金で創業しました。
毎日、問屋に通って仕入し、開店三カ月でお店を一坪半から三坪に広げ、当時のプラモ業界では初めて、プラモの完成品を飾るウィンドーを店先に設置したり、店内には潜水艦を泳がせるモケイプールや、レーシングコースを設置。
爆竹を仕込んだ大ジオラマで戦車を走らせるコーナーを造ると、二カ月で日本一となる千台以上の戦車を販売しました。
奇想天外なアイデアの数々で、海洋堂の快進撃がここから始まりました。
-
- プラモデルの繁栄と衰退
-
1970年頃、宮脇館長はブロンズ彩色技法を編み出し、自ら開発した道具類を使って、レベル社のコンスティテューションやカティーサークなどの帆船プラモを、世界一販売しました。
ここでは、宮脇館長が「アートプラ(プラモデルのアート化)」思想を提唱するきっかけとなった、自作の帆船模型や、当時「帆船の海洋堂」と言われるまでになった数々の帆船模型を公開いたします。
また、海洋堂が模型店時代から集めた、プラモデルのコレクションおよそ4万点の中から、世界最古のプラモデルと言われている、フロッグペンギン社製「Spitfire Ⅰ」の他、約3,000点を公開いたします。
-
1970年、宮脇館長が自ら赤銅色で彩色し、市の美術展に出展したレベル社のコンスティテューション。
素材がプラモデルということが判明し、一度は入選が取り消しとなったが、「絵を描くにも布のキャンバスが必要なように、プラキットを組み上げたものはキャンバスであり、修羅というタイトルにふさわしい赤銅色の彩色は、わたしがありったけの技法を駆使して仕上げた作品なのです!」と追及すると、取り消しが撤回された。
そこから「プラモデルのアート化=アートプラ」の思想を提唱していくことになる。 -
世界最古のプラモデルと言われている、フロッグペンギン社製「Spitfire Ⅰ」 -
模型店時代からコツコツと集めていたプラモデルの数々。
-
- 造形狂時代の到来
-
1977年、<ホビーはあそびである>と解釈する宮脇館長は、その頃乱立していた学習塾に対抗し、あそびの塾である「ホビー館」を開設します。
門真市に200坪の倉庫を借りて、全長180mのスロットレーシングコースや、ジオラマコーナー、展示コーナー、工作台など様々な構成が考えられました。
この頃、プラモケイの衰退とともに、プラモケイに飽き足りなくなった若者たちがレジンキャストのような特殊造型素材を使って、好きなものを作ってホビー館に持ち込むようになり、「造形狂」という仲間が増えていきました。 当時高校生のボーメ(現海洋堂原型師、“ボーメ”のあだ名は、いつも帽子と眼鏡をかけていたから)、西坂克也ら常連が集まって、フルスクラッチビルド(すべてをゼロから削り出す造形)作品を造りはじめ、それがガレージキット制作へと繋がっていきます。
-
- クリス・ウェイラスとの出逢い
-
1985年、57才で初めて渡米した宮脇館長は、帰国後、映画「グレムリン」や「ザ・フライ」などの特殊メイクを担当し、アカデミー賞を受賞したクリス・ウェイラス氏と出逢います。
出逢ったとたん意気投合した二人は、長年親交を育くみ、1993年に、世界で最初の動く実物大恐竜展「ディノアライブ」を大阪・梅田で開催しました。
その時の、動く実物大ティラノサウルスとトリケラトプスのレプリカヘッドは、クリス・ウェイラス氏から宮脇館長へ友情の証として贈られ、20年あまり海洋堂本社屋上に設置されていました。
このたび、その「ティラノサウルス」と「トリケラトプス」ヘッドを海洋堂ホビーランドへ移設し、みなさまに目の前の大迫力でご覧いただきます。
-
<クリス・ウェイラス>1956年アメリカ生まれ。
1976年にモンスターマスクで有名なドン・ボストン社に入社後、ジョー・ダンテ監督の「ピラニア」でデビュー。「スキャナーズ」にディック・スミスとともに参加し、頭蓋骨破裂を成功させ注目される。「グレムリン」では、アカデミー特殊効果を受賞し、C.W.Iという会社を設立。「ザ・フライ」ではアカデミーメイクアップ賞を受賞し、続編の「ザ・フライ2」では監督も務めた。他の参加作品として、「レイダース」「ドラゴンスレイヤー」「第5惑星」などがある。 -
来日したクリス・ウェイラス氏は、海洋堂を訪問。館長の愛犬のチロも一緒に記念撮影。 -
「ディノアライブ」の様子。ティラノサウルスに襲われそうになっている母親トリケラトプスを、子供のトリケラトプスが助けを求めているというストーリーであった。 -
ティラノサウルスの首ねっこに、クレーンで上げてもらった宮脇館長。 -
サンフランシスコにあったクリス氏の会社CWIでの製作の様子。 -
ディノアライブで展示したティラノとトリケラの実物大ヘッドのレプリカは、クリス・ウェイラス氏から友情の証として宮脇館長に贈られ、20年余り本社の屋上へ飾られた。 -
「友情の木」。アメリカで宮脇館長がクリス氏と拾ったどんぐりの実が、海洋堂本社の中庭で芽を出し、りっぱな木に成長している。
-
- ⑥※展示準備中
-
-
-
-
- あそびから創造力や技術力、社会性を育てる
-
海洋堂ホビーランドは、熱中する、感動する、表現するという人間の本質ともいうべき最も素朴な行為の中から、創造力や、技術力や、社会性などの機能が育つように期待しています。
あそびという原始感覚の中から、子供の真の喜びや夢が引き出せればという思いを込めて、ホビーを通して造形教育に少しでも役立つような場をご提供していきます。
●フィギュア塗装教室
●フィギュア造形教室(不定期)
※お子様にはKHLオリジナルユニフォームを貸し出します(先着10名)
-
- 年に数回、期間限定の企画展・特別展を開催いたします。
-
-
-
- 「館長の木刀バナナカステラ」
1箱4個入/540円(税込) -
海洋堂本社と同じ門真市にあるスティックカステラ製造メーカー「株式会社リマ」さんとのコラボ商品。
海洋堂が模型店となる運命を決めた館長の木刀にあやかって、あなたも占ってみよう!
- 「館長の木刀バナナカステラ」
-
-
「オリジナルピンズ(海洋堂歴代ロゴマークVer.)」
1セット4種入/2,750円(税込) -
海洋堂の歴代ロゴマークがピンズになりました。
ウルトラ怪獣やメカのデザインで有名な成田亨さんが海洋堂のためにデザインした貴重なロゴマークも!
-
「オリジナルピンズ(海洋堂歴代ロゴマークVer.)」
-
-
「海洋堂手ぬぐい」(白)(青)
各色2,200円(税込) -
海洋堂が模型店時代に使用していた包装紙の柄を、手ぬぐいとして復刻しました!
京都の老舗「永楽屋」さんとのコラボ商品で、肌触りも抜群です。
-
「海洋堂手ぬぐい」(白)(青)
-
-
「オリジナル缶バッジ」
全24種/1個200円(税込) -
チョコエッグで一躍有名になった「日本の動物シリーズ」第一弾のフィギュアを、カラフルな缶バッジにしました。どれがでるかはお楽しみ。
※ガチャガチャでの販売です。
-
「オリジナル缶バッジ」